ふたりで
新年は、真愛の家で迎えた。家族のようにしてもらい、幸せを味わった。
真愛とも順調にいっていて、何も心配することはなかったのだ。
それが、崩れはじめたのは、一本のメールだった。
バレンタインを前にした土曜日、
『幸大にいさん、今、S市の駅前に来ています。渡したい物があるので、会えませんか?』
突然のメールに、驚きと戸惑いを感じた。
妹になるかもしれない、結香(ゆいか)からだった。
まだ、正式に結婚が決まっていないのに、『幸大にいさん』とは、参ってしまう。
真愛や両親にも、母親の結婚については、決まってから報告するつもりだから、何も言っていなかった。
とりあえず、駅前へ出かける。
結香は、ちょっと大人っぽく見える。背も女の子にしては高い。中3だが、見ようによっては、高校生で通じる。
そして、更に困るのは、腕を組んできて、甘えん坊的な要素が満載なことだ。
人が見たら、まるで付き合っているカップルに見られるだろう。しかし、俺は、母さんとの関係を悪くしたくなかったので、そのままやらせておいた。
たとえ、母さんのためとはいえ、これが大きな間違いだとは、思いもしなかった。
まさか、俺のアパートの前で起こった交通事故が、真愛だとは!
夜、真愛に連絡しても通じず、次の日、真愛のお母さんから連絡をもらうまで、俺は何も知らないままだった。