ホテル王と偽りマリアージュ
「椿、愛してる。俺と、本物の結婚をしてください。……考えてみたら俺、こういうのちゃんと君に言ってなかった」
そう言って、まるで本物の王子様みたいに、私の手の甲にキスをした。
一瞬本当に自分がお姫様になったような気がして、私の胸は一哉の『本物のプロポーズ』でいっぱいになる。
なにも言えずに彼を見下ろす私の手から唇を離して、彼はそっと目線を上げて私を窺う。
「『思いの外』じゃなくて、本当に綺麗だよ。椿」
取って付けたように言い直す一哉を、ほんのちょっと残念に思いながら。
それでもこの信じられないサプライズとまっすぐな心がどうしようもなく嬉しくて、私は身を屈めて一哉を抱き締めていた。
「うぐっ……苦しい……」
私の胸元で、一哉のそんな声が聞こえてくる。
それでも気にしてあげる余裕はない。
「ふう……っ……!」
涙が込み上げてくるのと同時に、嗚咽が漏れた。
胸に抱き締めた一哉の頭に顔を伏せながら、私は声を殺して泣いた。
「嬉しい。……どうしよう、ほんとに、嬉しい……」
しゃくり上げながら、必死に彼に返事をする。
一哉は私の返事を最後まで聞いてから、私の腕にそっと手を掛けた。
抱き締める腕を解きながらゆっくり立ち上がり、今度は私を柔らかく抱き締めてくれる。
そう言って、まるで本物の王子様みたいに、私の手の甲にキスをした。
一瞬本当に自分がお姫様になったような気がして、私の胸は一哉の『本物のプロポーズ』でいっぱいになる。
なにも言えずに彼を見下ろす私の手から唇を離して、彼はそっと目線を上げて私を窺う。
「『思いの外』じゃなくて、本当に綺麗だよ。椿」
取って付けたように言い直す一哉を、ほんのちょっと残念に思いながら。
それでもこの信じられないサプライズとまっすぐな心がどうしようもなく嬉しくて、私は身を屈めて一哉を抱き締めていた。
「うぐっ……苦しい……」
私の胸元で、一哉のそんな声が聞こえてくる。
それでも気にしてあげる余裕はない。
「ふう……っ……!」
涙が込み上げてくるのと同時に、嗚咽が漏れた。
胸に抱き締めた一哉の頭に顔を伏せながら、私は声を殺して泣いた。
「嬉しい。……どうしよう、ほんとに、嬉しい……」
しゃくり上げながら、必死に彼に返事をする。
一哉は私の返事を最後まで聞いてから、私の腕にそっと手を掛けた。
抱き締める腕を解きながらゆっくり立ち上がり、今度は私を柔らかく抱き締めてくれる。