男子校のお姫様!
「ーーっ!」


にににに、逃げなきゃっ‼︎


そう思って走り出そうとした私を、彼はそう簡単に逃がしてくれなかった。






あの後、私は必死に手から逃れようとして頑張ったが、あんな可愛い顔して力は強かった。


そのまま私は半ば引き摺られながら生徒会室に連れて行かれる。


無言のまま引き摺られているのもあれなので、私は彼に聞いてみた。


「僕をどうするつもりですか?..........はっ、まさかこの僕を食っ.......!!」

「わないよ、別に。それに、もう生徒会のみんなは君が女だって事知ってるんだから。
その『僕』って言うの、通用しないよ。」


「........っ、いいい一体何を言っているんですかね、ぼぼぼっ僕は男ですっ!」


「はいはい...。見苦しい抵抗はしないの。」


はぁ、とため息を吐いて、私を哀れみの目で見下ろしてくる。


な、なんですかその目は。

私だって苦し紛れの言い訳で誤魔化せるとは思ってませんよ。


「着いたよ、生徒会室。さあ、生徒会長様が君を待ってるよ。」


生徒会長....。1度だけではなく、2度も顔を見ているが緊張する。


私はドキドキしながら扉を開けたーー。



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