女の子として見てください!
「松城さん、大丈夫ですか?」

「げほっ、げほっ」

大丈夫、と答えながら、私はテーブルを拭く。

すると光太郎君が学ランのポケットからハンカチを取り出して。


「松城さん、こっち向いてください」

と言って、私の口元を拭いてくれる……。


ち、近……。
ていうかさすがに恥ずかし……。


私は「大丈夫だからっ」と言って彼から顔を離し、自分の手の甲でゴシッと口元を拭った。


て、ていうか好き?光太郎君が私を?


そんなふうに思ってくれたなんて、夢にも思わなかったけど……。



光太郎君は、話を続ける。


「俺が松城さんにずっと憧れてた、っていうのはいつも言ってるから知ってますよね。
それは、人間として憧れてるっていう意味ももちろんあるけど、女性としても憧れてました」

「そ、そうだったの……?」

「俺を真っ当な道に戻るきっかけをくれた松城さんに感謝の気持ちを持つと同時に、恋愛としての好きの気持ちも膨らんでいったんです。
松城さんは、自分より十も年下の男ってやっぱナシですか?
俺は元不良だし、まだ学生だし、松城さんに釣り合っていないのはわかっています。
でも、誰よりも松城さんのこと好きです!
強くて、正義感にあふれていて、そんな松城さんが好きなんです!
俺が守っていく……のはムリかもしれないけどっ、でも、ずっと側にいたいんです!」


光太郎君の、まっすぐな瞳と、まっすぐな気持ち。
驚いたけど、もちろん、うれしいと思う。

今まで、見た目と中身のギャップが激しいという理由で多くの男性からフラれ続けていた私。
光太郎君は、ゴリラみたいな中身の私を好きになってくれたんだ。私に投げ飛ばされたにもかかわらず。

そういえば、今日コンビニで翔さんにもちょっと言われたけど、光太郎君はまさにありのままの私を好きになってくれたんだ……。


でも……。
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