独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
ゴボッと音を立て、ビール樽が空になった。

泡が飛び散り、あたしのハッピの袖が濡れてしまう。

「香坂ちゃん、大丈夫?
少し後ろで休憩しておいでよ。
今日は暑いから、ハッピもすぐ乾くよ」


小田原さんに声を掛けてもらったので、お言葉に甘える事にする。


テントの奥のパイプ椅子に腰を掛け、ペットボトルのミネラルウォーターを飲んだ。

他の職員はビールを飲みながら作業をしているが、あたしはビールは得意ではないので、今日はずっとミネラルウォーター。


なんだかんだで3時間くらい立ちっぱなしで作業していた。

普段は座り仕事で立つことに慣れてないせいもあり、椅子に座った瞬間に足にどっと疲れが溜まる。

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