独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「そういえばすっかり忘れていたんだけどね、姐さんから香坂ちゃんに差し入れあったんだよ」

笠原さんは祭りの二日間とも、親戚の法事かなんかで手伝いは欠席していた。


先週、祭りの手伝いの参加者を取りまとめていたときだ。

地域貢献だのなんだのって、散々あたしには参加しないとだめだよと言ってたくせに、自分は法事ってなにって、ちょっとあたしは面白くなかったんだ。


法事って嘘ついて、本当はサボっているんじゃないかとまで思っていたのだ。


「私、昨日の仕事終わりに預かっていたんだけどね、すっかり忘れてて。ごめんね」


小田原さんはクーラーボックスから缶チューハイを取り出して、あたしに手渡す。

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