独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
話は戻って窓口初日。

今日は忙しくない日だけど、あたしは何もわからない状態なので、3日間は小田原さんに付きっきりで指導してもらうことになった。


緊張で手なんてずっと震えっぱなし。


あれだけ書類の確認は怠るなと言われていたのに、早速印鑑照合をすっ飛ばしてしまい、小田原さんに指摘される。


後方事務を担当していたときは、現金を触る機会など滅多になかった。

そういうこともあるし、さらにプレッシャーからきているのか、今はたったの一円でも重さを感じてしまうくらい。


そんな中でもやりがいを感じる余裕ができるのは、お客様からの温かい言葉があるから。


「あら、新しい子ね。頑張って」

「元気のいい挨拶だなあ」


地域とお客様に愛される職員になること。


あたしの入庫初日の挨拶を思いだす。

あの頃は大して意味もわかってないままで挨拶をしていたが、こういうことなんだと今更ながら実感が沸いてくる。

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