独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「どうだった?初日の窓口は」

3時が過ぎ、地下にある金庫室の現金を数えているときだ。

これからは毎日この仕事があるのだが、あたしと役席と二人で現金を数えるのがルール。


今日はその役席が、下風代理だった。


「めっちゃ緊張しました…
今日は小田原さんが付いてくれていたから、かろうじてミスはなかったけど、それが一人になってからは怖いです」


「俺も渉外初日のときはそうだったよ。
お客様からあれこれ聞かれても、わかんねーってなってたわ」


下風代理の笑った顔を見るとホッとするなあ。

あたしは結局この人のことを忘れることができなかった。


だけどそれでもいいんだって思ったのは、花火の日に下風代理が言ってくれた一言があるから。


祐介にしたことは絶対に忘れてはならない。

だけど下風代理への想いだってあたしの正直な気持ちだ。


他人からしたら綺麗事に思われるけど、あたしは自分の中にある全ての気持ちを認めることで、前に進むことができる気がするんだ。

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