独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「下風くんが口止めしていないなら、私がちゃんと香坂さんに話しておく」


『…やめときなって。大丈夫だから』


何で下風くんがここまで彼女を信用しているのかもわからない。


「大丈夫なわけないでしょ!

あの子の同期には、本部に配属の子もいるって聞いてる。

そうじゃなくても、フェイスブックとかやっているような子だよ?

私達の事なんて、絶対彼女らのいいネタになってるはずよ」


『…頭痛いから、今日はとりあえず寝かせて』


そういって一方的に通話は切れてしまった。


…何なの、この態度。

一大事というのに、なんで下風くんはこんなにぼんやりとしているんだろう。


私が異動になって困るのは私自身じゃなくて、残された春日支店のみんななのに。

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