再会



「この子の名前は“怜”やで。」



「……レイ?」






あまりの驚きに、目を見開いて、リリィにも確認する。


「そう、レイよ。あたしとジュンを引き合わせてくれた、とても大切な親友の名前」


涙が溢れて、もう言葉は出てこなかった。

腕の中で楽しそうに笑う、小さな怜の可愛らしい笑顔が、ただただ愛おしかった。


「この子は、レイがいてくれたおかげで、生まれてきたんだもの。男でも女でも、生まれてくる前から、二人で決めてた。レイみたいに、真っ直ぐで純粋で強い人になって欲しいって、そう思って名前をつけたの」


小さなレイをジュンに預けると、泣き止まない私を、リリィはまた優しく抱きしめてくれる。

ジュンの腕の中では、小さなレイが再び泣き出してしまった。

そんな私と怜を見て「ほんまにレイは二人とも泣き虫やな」って、ジュンは笑ってた。





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