人事部の女神さまの憂いは続く
藤木さん、美女、波木社長、私という藤木さんが目に入りにくい素敵なポジション。
「何、飲む?ここワインもいいの置いんだよ。ゆりちゃんワイン好き?」
「普段あんまりワイン飲まないんですけど、美味しいのなら飲んでみたいです」
ちょっと甘えるように波木社長を見ると、ニヤッと笑って
「じゃあ、赤で俺のオススメでいい?」
不必要なくらい耳に近づけて話してくる。それにびくっとしていると、また少年のように笑っている。
藤木さんにムカついているからって、この人に必要以上に近づくと危険かもしれないと思っていると
「ゆりちゃん、スリーイノベーションで働いてるの?」
目の前に座っているさっきの、どこかで見たことあるような人が話しかけてきた。答えようとした私の代わりに波木社長が
「そう。人事のマネージャーだって」口をはさむ。
「え、まじで。うちちょうど人員拡大したいから人事で優秀な人探してるんだよね。リアンって知ってる?」
そう言われて、見覚えのある人の正体が分かった。