人事部の女神さまの憂いは続く

「真人さん、もう1本頼みますー?」

空になった2本目のワインを掲げながら村岡社長がたずねると

「ゆりちゃん、まだいける?」

目の前いっぱいに波木社長の顔が広がった。

普段あんまり飲まなないワインをあおるように飲んでいるから、さすがに酔いが回ってきてたけど、飲まなきゃやってらんない。うん、と言って思いっきり頷くと

「そういうのも、かわいいねー。やっぱ、超タイプ」

髪を撫でている手が後頭部にまわった。

あ、やばいかも、と酔った頭で思った瞬間、ガタンと大きな音がしたかと思うと

「おい、ニシユリ。お前、いい加減にしろよ!もう飲むな」

藤木さんの大きな声が響いた。

そのおかげで、波木社長の手と顔が離れてくれたので、ほっとしたものの、藤木さんのエラそうな言いぐさが気に障る。

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