人事部の女神さまの憂いは続く

そしてスマホを置いたかと思うと

「賢くて、思慮深くて、自分の振舞い方をわきまえてる。その上、健気で美人で楽しませてくれもする。今まで頭も身持ちも軽い女ばっかり相手にしてたお前にはもったいないよ」

さらに攻撃してくる真人さん。

真人さんは山本を通して知り合って、一緒に飲むようになって、経営者としても尊敬しているし、兄貴分的な感じでかわいがってもらっていた。だから女遊びについてもほどほどにしろよ、くらいには言われたことがあるけど、こんな風にはっきりと負の感情を向けられることはなかった。

それほど、ニシユリを気に入ったってことか、と焦りに似たような感情が湧いてくる。

「なんでニシユリと一緒だったんですか?」

とりあえず一番の疑問だったことをたずねると

「ふーん。そこからか」とこぼしてグラスに口を付けている。その横顔は男の俺が見ても惹きつけられるようなオーラ―が漂っていた。
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