人事部の女神さまの憂いは続く

真人さんが一緒じゃなくってほっとしたものの、とりあえず俺も急いで帰ろうとタクシーと呼び止めようとした腕を掴まれた。

「お前は、ちょっと付き合え」

その声が冷ややかで、びっくりしたけど今はとにかくニシユリのことが気になる。

「真人さん、すんません。また日を改めて」

と言いかけたところで

「いいから。今追いかけても、ケンカになるだけだろ」

アゴでついてこい、という風に示される。仕方なく、その後をついていくことにした。


初めて来るバーで真人さんと並んで最初に言われたのがこの一言だった。

「お前、女の趣味かわったの?」

なんでそんなこと言われないといけないんだ、と思いながらもこれまで飲み会の度に女を連れて帰ってるところも見られてるだけあって言い返しづらい。返答に困ってると

「すごい、いい女じゃん」

言いながらスマホ片手にニヤついている。
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