人事部の女神さまの憂いは続く
真人さんに振り回されながらも真面目に対応しているニシユリを思い浮かべて、自分に苦笑いが漏れてしまう。
「ほんと、いい女なんですよ」
独り言のようにつぶやくと
「お前が俺に言ってないなら自分が言うべきことじゃないって、お前の顔立てたんだろ」
さらに続けられた言葉に、俺も深く頷いた。
「女といちゃついてるとこ見ても、お前に気遣ってあくまで他人面だろ。健気で泣けてくるね。なぁ、俺なら我慢なんてさせないけど?」
挑発的な視線を向けてくる真人さんの言葉がどこまで本気なのかが読み切れない。だけど、ニシユリを渡す気なんてこれっぽっちもない。
「手放すつもりはないですよ」
そう言うと
「じゃあ、大事にしてやったら?結婚したことも言わずに遊び歩いてるなんて最悪だろ」
さっきよりも、より鋭い視線が突き刺さる。