人事部の女神さまの憂いは続く
ちょっと震える手で藤木さんの指にリングを通すと、溢れる涙を手で拭ってくれながら、唇を落とす藤木さん。それに応えようとしたところで
「あのさー」
立花さんの声が飛んできた。
それでようやく、香織さんと大輔さんもいたことを思い出した。恥ずかしくなって、藤木さんと距離をとろうとしても、腰にガシっとまわる腕が離してくれない。
「悪い、あとちょっとだけ」
立花さんの方なんて一切見ずに、じっと瞳を覗き込まれて思わず目をつむってしまう。
「あー、もう。ちょっとだからな」
という立花さんの声を聞きながら、3日ぶりの藤木さんの唇の熱に溺れそうになる。
もっと、という欲望のままに深いところを探りにいこうとしたところで急に唇を離されてギューと抱きしめられた。
さっきまで熱を感じていた唇が淋しくて、顔を横に向けて藤木さんの首筋にチュッチュと唇を落としていると
「あー、こらー」
さっきまでとは違う、ゆったりとした藤木さんの声とともに顔を引き離されてしまった。
「俺も猛烈に続きしたいけど、先にあいつらだ」
すっかり忘れていた二人の存在を思い出す。