人事部の女神さまの憂いは続く
「しばらくは人事で後進育てて欲しいんだけど、他に興味あるなら平行して、やってもらってもいいし。
今、うちの会社に資源なかったら、提案してくれていいし」
その言葉が経営者としての真面目な言葉だとういうことが藤木さんもわかっているのか、さっきまでの子どもみたいなやりとりはなりをひそめている。
そして、ふたりともじっと私の反応を伺っている。
「真人さん。いえ、波木社長から、そんな言葉をいただけるなんて、仕事人としてすごい光栄です。おっきな組織で働くこととか、経営の判断基準を波木社長の元で学ばせていただきたいなって、正直すごい興味あります」
そこまで言葉にしたところで、隣の藤木さんの身体がびくっと跳ねてこっちに身体ごと向いた。
「でも、私追われるよりも追う方が好きみたいなんです。
スリーイノベーションがSMHさんみたいにおっきくなるのに、自分の力を活かしたいなって思ってます」
そう言うと、デキる経営者がニヤリと笑みをつくった。
「いいね。ますます、欲しくなる」
その言葉とともに、隣の暴君からは、ふーっと大きなため息が聞こえた。