人事部の女神さまの憂いは続く

休める日はお昼頃までゴロゴロ、イチャイチャしてるのに、まだ8時過ぎだ。もう一度布団の中に潜り込みたいけど不機嫌そうにしていた暴君が恐いので、仕方なく起き上がってリビングに行くとコーヒーを入れてくれている藤木さん。

「こんなに早く起きてどうするんですか?」

横に立ってコーヒーカップを受け取りながら聞くと

「出かけるぞ」と言われる。

「どこに?」

普通に質問をしたのに、

「泊まりだから」

聞きたいこととは違った返事が返って来る。

「泊まり?なんで?」

やっぱりよくわからないので、聞くと

「デートだ、デート」

予想外の言葉が出てきて藤木さんを二度見してしまった。


デート?
お泊りで?

「お泊りデート!?」

「そう。お前、デートしたいっていってたろ」

その言葉に嬉しくなって

「ほんとに?」

藤木さんの腰に腕を巻き付けて顔を覗き込むと、ちょっと照れたような表情が目に入る。

「藤木さん、大好き」

背伸びをしてチュッとほっぺにキスをして、ルンルンした気持ちでシャワーを浴びに向かった。
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