人事部の女神さまの憂いは続く

「ほんと、やんなっちゃう」

泣きそうになっているのをごまかすかのように俯いている姿をみると、こいつまじで夫婦仲うまくいってないのか、なんて心配になって

「どうしたんだよ」

声をかけると、ちらっとこっちに視線を向けてくる。

「私がずっと崇のこと好きだったって、知らなかったでしょ」

思いもしなかった言葉にびっくりして固まってしまう。すると

「ほら、そんなこと考えたこともなかったでしょ」

自嘲気味な笑いを漏らしている。その横顔を見ながら当時を思い出してみても、やっぱりさっきのこいつの発言が信じられない。


―今日すごいしたい気分なんだけど

―こうやって欲求だけ満たしてくれるから崇は楽でいい


そんな昔かけられた言葉を思い出して、やっぱり解せないでいるとバカにしたような視線を送られる。
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