人事部の女神さまの憂いは続く

とはいえ3冊いっきに買うほどお金もないし、と思って

「どれが一番オススメですか?」

質問すると

「んー。特に苦手な分野とかある?」

と質問で返された。

「分野、とか好き嫌い言えるレベルでもないんです」

正直に答えると

「じゃあ、これだ。最初からやり直して、どこが苦手か自分で確認するといいよ。で、その次は苦手分野の参考書やればいいから」

勉強法すらわかっていなかった私にはとっても参考になるアドバイスをもらえた。嬉しくて

「ありがとうございます!」

元気よくお礼を言うと、しっと人差し指を口に当てている。あ、本屋さんだったと思って恥ずかしくなっていると

「じゃあ、がんばって」と言葉を残してお兄さんはレジに向かっていた。

いい参考書を買えたことだけでなくって、親切なお兄さんに出会えたことが嬉しくってルンルンしながら家まで帰ったことを今でも覚えている。親切なお兄さんだったな、大学生かな?なんて思いながらも、いつかまたあの本屋さんにいったら会えるかな、という淡い期待をしていた。


< 9 / 399 >

この作品をシェア

pagetop