泥棒じゃありません!


「それって“リベンジポルノ”とかいうやつなんじゃないの?」

少し周りを気にしながら、悠さんも声を(ひそ)めた。

「そうですね。しかも人気ゲームのキャラのコスで露出してたもんだから、あっという間に拡散されちゃって……」

悠さんは「あちゃー」と言いながら、こめかみを押さえている。


「それで、その彼女は……?」

恐る恐る、聞いてみる。動揺しているせいか、幾分語尾が掠れてしまった。

「友達の話によると、『死にたい』って口走るほど精神的に追いつめられてるみたいです」

「そりゃそうだよ、不特定多数に見せるために撮ったものじゃないんだもの。でも、彼女もちょっと不用心だったね」


――不用心だったね。

悠さんの言葉が、まるで自分に向けられた言葉のように胸に突き刺さる。

「普段、いろんな会場で写真を撮られ慣れてるから、それも軽いノリで撮っちゃったんでしょうね。まあ、私からすれば自業自得と言うか」

さっきから黒ひげ危機一髪のおもちゃのように、ふたりからグサグサと剣を差し込まれている気分になる。そのうち一番痛いところに差し込まれて、ここから飛び上がってしまいそうだ。

「小川的には、ざまあみろって感じ?」

「いや、さすがに気の毒だとは思いますよ。でも助けてあげようとか、そこまでの気持ちは正直、湧かないです」

私は悠さんとオガちゃんの話を遠くに聞きながら、心の中で大きな決断をくだしていた。

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