泥棒じゃありません!


「そんなに厳しいんですか?」

今のやり取りを聞いていたのか、オガちゃんが少し不安そうな表情で話しかけてきた。

「そっか、オガちゃんも蓮見マネージャーと仕事するのは初めてだもんね」

「はい。私がアミロに入社した時にはすでに、蓮見マネージャーはアメリカにいらっしゃったので」

今からあまり怖がらせることを言っても、それはそれで可哀想だ。
「うーん……」と唸りながら言葉を選んでいると、オガちゃんが神妙な顔で先に口を開いた。

「実はさっき小耳に挟んだんですけど、しばらくお菓子部門の全部の会議に顔出すって言ってたらしいんですよ、蓮見マネージャー」

「えっ……ほんとに?」

「らしいです。多分、今は悠さんのところの会議に出てるんじゃないですかね」

慌てて、グループウェアから会議室の使用状況を確認してみる。順番からいくと次はうちだ。

「ヤバ……ごめんオガちゃん、話はまたあとで!」


私は慌ててこれまでの経緯を簡単にまとめた資料を作成して、ファイリングしていたものも関連するものもすべての資料を手元に準備した。

これで、蓮見マネージャーになにをつっこまれても大丈夫……なはず。

「よし!」

私は自分に気合をかけてから足を踏み出した。
きっと大丈夫。今手掛けているこのプロジェクトは、すでに最終段階に入っている。いくら蓮見マネージャーといえども、根底から覆すようなまねはしないだろう。

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