範囲指定ゲーム
暗くて奥の方まではよく見えないが、ステージ脇には小部屋があるはずだった。
劇などで利用する道具を一旦そこへ運びこんだりするために、どこの学校でもある場所だった。
その小部屋から会議室までの通路が作られているのかもしれないと、友香は考えていた。
そうすれば誰にも見られずに移動することができる。
だけど、どうしてそこまで手の込んだことをするのか、友香にはわからなかった。
ステージから少し身を離した時だった、「お前ら、もう集まってんのかよ」そんな声が聞こえてきて友香は息を飲んだ。
体育館の入り口から聞こえて来た声に振り向くと、そこには男が立っていたのだ。
しかし、誰も何も言わなかった。
唖然として男を見つめている。
男は深くかぶっていた帽子を脱ぎ、それを右手に持っていたのだ。
この男を見るとなんだか懐かしくなってしまう理由が、ようやく理解できた。
「戸川先生……?」
そう聞いたのは真子だった。
友香にも、目の前に立っている人間は戸川先生に見えていた。
劇などで利用する道具を一旦そこへ運びこんだりするために、どこの学校でもある場所だった。
その小部屋から会議室までの通路が作られているのかもしれないと、友香は考えていた。
そうすれば誰にも見られずに移動することができる。
だけど、どうしてそこまで手の込んだことをするのか、友香にはわからなかった。
ステージから少し身を離した時だった、「お前ら、もう集まってんのかよ」そんな声が聞こえてきて友香は息を飲んだ。
体育館の入り口から聞こえて来た声に振り向くと、そこには男が立っていたのだ。
しかし、誰も何も言わなかった。
唖然として男を見つめている。
男は深くかぶっていた帽子を脱ぎ、それを右手に持っていたのだ。
この男を見るとなんだか懐かしくなってしまう理由が、ようやく理解できた。
「戸川先生……?」
そう聞いたのは真子だった。
友香にも、目の前に立っている人間は戸川先生に見えていた。