範囲指定ゲーム
「い、言ってる意味がわからないんだけど……」


震える声でそう言ったのは桜だった。


先生たちの自殺現場を目の当たりにしてしまった桜は、立っている事ができなくなってずっと座り込んでいる。


今もまだ真っ青だ。


「だからさぁ、ルールはちゃんと説明するって。でもまずはグループ決めないとな。お前ら34人だからとりあえず3人ずつに分かれて、どこか1チームだけ4人になるか?」


男は時々欠伸をしながらそう言った。


チームに別れるって言われても……。


友香と美夏は更に強く手を握りしめた。


この2人は絶対に離れないぞという意思が見えている。


「その、ゲームの説明じゃなくて……」


桜が更にそう言った時だった、「先生が死んでるんだって言ってんじゃん!! もういいよ、こんな男の言う事なんてきく必要ない! あたし、警察呼んでくるから!!」そう叫んで走り出す女子生徒。


彼女は町田知美(マチダ トモミ)。


色白でぽっちゃりとした体型のため、みんなからはマスコット人形のように扱われる事が多かった。


知美は真っ直ぐグラウンドを走り、出口へと向かう。
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