先輩!小説の主人公になってください!
伊織side


私はカーテンの隙間から差す光で目がさめた。

ベットから起き上がろうとしたが‥


「‥‥ッ‥頭‥痛い‥。」

痛みに頭をおさえる。

「昨日‥何が‥あったけ?」

思い出そうとしても思い出せなかった。

彩月と一緒に文芸部の新入生歓迎会に行ったのは覚えてる‥。

そのあとが思い出せない‥。なんか‥みんなが騒いでいたような気がする。

‥でも、まぁいっか。

「ご飯、食べよう。」

思い出すことを諦めて私はご飯を食べることにした。






その後、私はまだ痛む頭のまま授業に参加して昼休みに部室に行こうとした。

‥にしてもこの頭痛はなんなの?風邪、ひいたのかな?まずいな‥。


そんなことを思っていると、彩月と出会った。

「ちょっ‥伊織、大丈夫なの!?」

彩月は驚いているようだった。

「う‥うん。大丈夫だよ。頭が痛いけど‥これから部室に行こうて思ってたんだ。彩月も行くでしょう?」

「伊織、今日は私と食堂で食べない?部活なら放課後でも行けるから。」

彩月は笑顔で行った。

「わかった。でも、彩月どうしたの?何かあった?」

「ううん。なんでもないよ。ほら、早く行こう!」

そう言って私と彩月は2人で食堂に向かった。





「えっ!?全然、覚えてないの!?」

ご飯を食べながら、彩月は驚いた声をあげた。

「うん。‥彩月と一緒に新入生歓迎会に行った後の記憶があまりなくて‥。気がついたら私、家のベットで寝てたから‥。」


彩月は手をおでこに当てていた。それを見た私は心配になった。

「な‥何かあったの?私‥何かやらかしてた?」

わからないものは、もう聞くしかない。

すると彩月は私と目を合わせて真剣な顔で言った。

「伊織‥驚かないで聞いてくれる?」

「う‥うん。聞く。」


私は少し身構えた。

「伊織は昨日の歓迎会で間違って咲和先輩のお酒を飲んだの。」

「えぇ!?」

彩月の衝撃的な言葉に私は驚いた。

わ‥私‥そんなことしてたの!?

ご‥ごめんなさい!咲和先輩!!



私は心の中で咲和先輩に謝った。

「それだけじゃないよ伊織。あんた‥酒に酔って‥その勢いで柊人先輩にキスしてた。」


一瞬、時間が止まった。



「‥‥‥えっ?‥えええええええぇ!!?き‥キスぅぅ!?」


あまりに大きな声だったのでまわりにいた人が私に注目した。


「しっ!声が大きい!!」
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