不安の滓
 異変が起こっている、ということに気が付いたのは本当に偶然だった。

 ある日、ネットオークションでアンティークのライターを競り落としたのだ。
 しかし、入金を済ませたにも関わらず肝心の商品が届かない。
 
――まさか詐欺にでも遭ってしまったのだろうか?

 そう思った、価格も二万円を超えてしまっていたし、簡単に諦めのつくことではない。
 入金から二週間が経った時点で、抗議のメールを送ってみることにした。

 抗議とはいえ、向こうだって多忙だったのかもしれない。詐欺とは確定したわけではないので、飽くまでもソフトに、問い合わせメールの形で連絡を取る。
< 14 / 66 >

この作品をシェア

pagetop