3度目のFirst Kiss
そこからは、3人で変更点を修正して、マニュアルを書き換えていく。

最後に確認のため会場を回って本部の部屋に戻って来たのは、夜の10時をとっくに過ぎていた。

「今度こそ、本当にお疲れ様でした。今日は2人のおかげで、早く終われたよ。ありがとうございます。」

生田君が、私と川口さんに頭を下げる。

私の方こそ、生田君の頑張りには、頭が下がる思いだ。それは、川口さんも同じ気持ちだろう。

「いえ、私なんて。本当にもっと仕事ができたら、ちゃんと役に立てるのに、すみません。」

「川口さんは、とても役に立ってるよ。今日だって、沢山助けてもらったし。」

「そうだよ。私なんて途中からだったから、川口さんにはすごく助けてもらってるよ。ありがとう。」

私に感謝されても嬉しくないだろうと思っていたのに、川口さんは目をウルウルさせていた。

彼女の公私混同させないと言ったのは本当だったんだ。途中、生田君と二人きりになろうと企んではいたけど・・・。

私は、自分が新人の頃を思い出していた。
梶さんや今はもう退職してしまった先輩達に鍛えられたなぁ。
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