恋はたい焼き戦争


午前の部、最後の3年生マンツーマン綱引きも凄く盛り上がってお昼休憩に入った。


私とあかりはいつもより少し豪華なお弁当を広げて交換こしあった。





「りーーん…もうすぐリレー始まっちゃうよ?!転けたらどうしよう…」

「大丈夫だよ!一生懸命練習したんだから、自信持って楽しく走ろ!」





緊張で震えるあかりの手をぎゅっと握って力を送る。


午後は部活対抗リレーと5色対抗リレー、そして3年生全員リレーの3競技だ。


私は部活対抗リレーのため衣装に着替えなければなかったので少し早めにお弁当を食べ終えた。


丁度片付けてるときに肩をとんとんと叩かれて後ろを振り向くと





「ちょっと良いか?鈴を借りるな」





向川部長だった。


あかりに口パクでごめん、と言って部長のあとをついて行く。


演劇部で集まって打ち合わせをするみたい。





「おっ、今日はいつもと髪形違うんだな!」





そう私の髪を触る昴に





「気合い入れてね!」





と両手でガッツポーズをした。





「本当だ!鈴姉ちゃん可愛い!!」





目の前に立っていたかえで君が抱きついてくる。


癒される…そう思いながらお腹の辺りにあるかえで君の頭をぽんぽんと撫でる。





「…ということで衣装に着替えたら各自また戻ってくるように!」





部長からの話が済んで皆が走って向かおうとするその前に私はちょっとした違和感を覚えた。





「昴、ちょっと待って」





彼の腕をつかんでここにいるように言って、私は救護室から救急箱を借りてきた。


急いで戻って昴を人があまりいないところに連れていく。





「足、怪我したの?」





違和感というのは昴の立ち方にあった。


いつもは左足に重心をかけて立っているのに今日は右足に重心をかけていた。


そして、とんとんと痛みを確認するような仕草をしていたから。





「気付いたのかよ…綱引きでちょっと捻っただけだから」





そうは言ってもこれからリレーを走るんだ。


少しでも痛みが和らげば良い。





「足出して」





しぶしぶ出す昴の足に湿布を張ってテーピングで固定する。





「はい、できた」

「こういうの得意なんだな」





まぁ…日頃手当てする機会は多いからね。


そうしているうちに時間は経ってしまって私たちは急いで着替え場所に向かった。

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