恋はたい焼き戦争


「…親父!」





学校に着くと、昴のお父さん…と思われる人が待っていた。





「この度は本当にありがとうございました!」

「ありがとうございました!!」





全員で頭を下げると嬉しそうに微笑んだ。


昴のお父さんは、本当に私のお父さんと同級生なのってくらいの若々しさで驚きを隠せない。





「いやいや、気になさらないでください。
いつも愚息がお世話になっているんですからこれくらいは」





そして、驚くくらい丁寧だ。


社長さんってみんなこんなに…オーラがすごいのかな。





「あれ…もしかして鈴ちゃんかな?」

「そ、そうです!
お久しぶりです」





そんな人に話しかけられて見つめられると、どうしてもかしこってしまう。





「ははっ、そんなに堅くならなくていいのに。
よく俺の膝に乗ってたあの鈴ちゃんがもうこんなに大人になったのかぁ…」





な、なんてことしてるんだ昔の私は…!


子供だったからって恥ずかしい…!





「やっほ〜みんな!」

「兄貴!」





そしてお父さんの後ろからひょっこりと顔を出した匠さん。


…なんだか少しだけクマがひどいような…?


気のせいかな…





「匠も来てくれたのか!」

「生徒会も夏休みでお休みだったからね〜
さすがに合宿先まで行くのは気が引けたけど、みんな元気かなって見に来たよ」





この時、私は全くもって思っていなかった。


匠さんがある覚悟を持ってそこに立っていたことを。


私は何も考えていなかったんだ。
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