Drinking Dance
「兄弟姉妹ですか?

るみさんは1人っ子だそうですよ。

僕が弟が2人いるって言った時、彼女はとてもうらやましいと言っていました。

“自分は1人っ子だから、子供の時から兄弟姉妹がいる人がうらやましかった”って」

そう言った星崎さんに、
「そ、そうなんですか…」

私は割り箸で肉をつまむと口に入れた。

石原さんも1人っ子なんだ…。

「あの、どうかしたんですか?」

心配そうな様子で星崎さんが聞いてきた。

「ひ、1人っ子なんですか…へ、へえ…」

私はコクコクと首を縦に振ってうなずくと、レモンティーを口に含んだ。

「何かあったんですか?」

「い、いえ、何も…」

背中に冷や汗が伝うのを感じながら、私は首を横に振った。
< 102 / 141 >

この作品をシェア

pagetop