Drinking Dance
また封印していたあの出来事がよみがえりそうになっていたら、
「ダメですか?」

星崎さんが聞いてきた。

「まあ、えーっと…」

どう答えればいいのかわからなくて困っていたら、
「やっぱり、まだ早いですか?」

星崎さんが続けて聞いてきた。

「早いも遅いも…」

それは個人のタイミングの問題かも知れませんよ。

「すみません、急かしたことを言ってしまいまして…」

「ああ、えっと…や、やりましょうか?」

もうこうなったらヤケだ!

後は野となれ山となれだ!

星崎さんのことが好きなら頑張れ、私!

好きな人の頼みを引き受けなくてどうするんだ、もう!

「よろしくお願いします」

「はい、こちらこそ」

私たちは頭を下げあった後、ドトールを後にしたのだった。
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