Drinking Dance
ドトールを後にして向かった先は、ハグの練習を行っているいつもの広場である。

あー、もうヤケだったとは言えど何で引き受けてしまったんだ…。

後悔してもすでに遅しである。

ベンチのうえにカバンを置くと、星崎さんと向きあった。

星崎さんは呆然とした様子でつっ立っていた。

「…稔さん、大丈夫ですか?」

手を顔の前でヒラヒラと動かして、彼の意識があるかどうか確かめた。

「あっ、はい…」

星崎さんは我に返ったと言う顔をした。

「あの、しっかりしてくださいね?

遊びでキスをする訳じゃないんですから」

そう言った私に、
「はい」

星崎さんは返事をすると姿勢を正した。
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