元カノがめんどくさい
「だから蓮斗さんも…
後悔しないよう、素直な気持ちを伝えてみて下さい」


本当に奈々は、どこまでいい子なんだろう…

だけど僕は、苦笑いしか返せない。


僕の想いを後押ししてくれる奈々の気持ちはありがたいし…
そのアドバイスも理にかなってるかもしれないけど。


僕のケースで素直な気持ちをぶつけるのは、自己満足でしかなくて。

黒歴史を刻んだ僕の悪足掻きなんか、
遥さんとの人生を選んだ元カノの気持ちに水を差すだけだ。


そんな心中を察したかのように。


「相手の状況を考えるのは、わかりますが…
大切に思うからこそ、きちんと本音を伝えるべきだと思います。

それとも蓮斗さんは、負けてる試合を諦める人ですか?」


突然そう聞かれて、戸惑う僕に…
奈々の言葉はさらに続く。



「前に、私の高校がサッカーの選手権で、地区優勝した事を話しましたよね?

その時の試合、こっちが主導権を握っていたにもかかわらず。
1-2で負けてる状態で、後半の40分が終了したんです」


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