劇団「自作自演」





「香澄さん。アンタはアイツのことをどこまで信用してる?」



アイツとはこの話の流れから察するに、いや、必然的に青山くんのことだ。



「恐らく、ブラックボード作戦までは、きっちりとやってくれると思う。」



「その先は闇か?」



私は正直に頷いた。



その先。ここでは、この劇団「自作自演」の旗揚げ公演のラストシーン。大事な局面のことを指す。



大事な局面で裏切られるなんてのは、よくある話だ。「どんでん返し」なんて言葉をよく使うけど、安っぽいミステリー・サスペンス小説には、付き物だ。



しかもこの「どんでん返し」のほとんどが、実際に起こり得そうなものばかりで、大抵は人の裏切り。



人の心は脆く、崩れやすい。故に、人の心はまた移ろいやすい。



親指で弾いたコインの表裏でどっちに付くか決めても構わないというくらいに、適当なものだ。



それは、青山くんに限らず、敦くんも同じ。



そして、私も。




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