ベル姫様と溺愛ナイト様
食堂、キッチン、各々の部屋、中庭……。
全ての部屋、設備を見てまわるころには、夕方になっていた。

時々メロゥが首を傾げる以外は、特に何の問題もなく、城は再現されたように思えた。

お広間の白いソファに3人で並んで座る。

「再現、出来たんだよね……?」

ベルが2人を見やる。

「ああ、上出来だよ、さすがベル。なぁ、メロゥ」

「うーん、上出来、と言えば上出来だよ。
ベルちゃんとついでにレイの力を発揮して、こうやって城が出来たんだから。ただ……」

顎に手を当てて、やはりメロゥは首を傾げた。

「ただ?」

レイは首を傾げた。
これだけ出来たのに、彼はなにが不満なのか。

「微妙に違うんだよなぁ……」

「微妙に、違う……?」

「どういうことだ?」

初めての試みにしては上手く出来たと思ったが、完璧ではなかったらしい。
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