QUEEN of the JOKER
「ねぇねぇ、君が転校生?こっち向いてよ真面目ちゃん!」


真面目ちゃんって…どんなネーミングセンスよ。


「地味な女だな。この青道高校を知っていてその格好かよ。…地味だな」


2回言わなくていいわ!!


ダメだ、転校早々ダウンしそう。


と、考えているうちに授業は進む。


あたしはガヤガヤと騒がしい教室の中先生の声を聞き逃さないように、黒板に目を通そうとした。



……………………が。


「ねぇちょっと!聞いてるの!?」


あたしの視界に前の席の男の子が入る。


「俺、和田 謙也(ワダ ケンヤ)って言うんだ!よろしくな!」


和田 謙也と名乗る人はフワフワな髪を揺らしてニコッと笑う。


明るい茶髪のフワフワな髪、ピンクのパーカーの上に着るブレザー、可愛らしい笑顔が特徴の彼だが、制服の着こなしだけでも不良だと判断出来る。


「こいつは杉宮 夏也(スギミヤ ナツヤ)!ほら夏也!挨拶は?」


あたしの事なんてお構いなく話し続ける和田君。


「…お前、名前は?」


金髪に黒ピアス、黒のパーカーは着ているもの、和田君のようにブレザーは着ていない不良さん。


「…東城、瑞希…ですけど」


「瑞希かぁ!いい名前だね!俺の事は謙也って呼んでよ!」


「…あの」


あたしが呼びかけると和田さんは「なあに?」と聞いてくるので、


「…授業、聞こえないので。静かにしてもらえます?何なら、席を交換しますから」



惜しい席の位置だけど、仕方が無いか。
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