QUEEN of the JOKER
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夏也side




「動きはどうだ、蓮」


「場所が一箇所に留まってる。これは予想通りに始めたみたいだね」


「…そうか」


大和が呆れたように溜め息をつく。


蓮はカチャカチャとパソコンをいじって、位置確認を更に詳しく調べる。


位置確認って言っても、ほとんど場所は特定出来てるけどな。


あのバカを1人にしておくわけにもいかないと大和が判断し、こうしてアイツを探すわけだが…。


「ねぇ、早く行こうよ」


謙也が焦ったように言う。


「そこまで心配いらないんじゃない?このくらい持ち堪えてるでしょ」


この前のことを引きずっているのか、蒼夜はいつもと違う笑顔で言った。


「…しかし、あいつも考えたな。合えて自分の家から遠回りして敵を誘き寄せるなんて」


大和ははたまた溜め息をはく。


「これで終わらせようとしてたのかな?…彼女を狙っている組織は1つ2つじゃないのに」


「これによって更に噂は広まるだけだぞ。一体何の為に…」


「これはあくまで僕の予想だけど…」


蓮の言葉で皆は黙った。


……それがもし、本当なら…アイツは本物のバカだな。


「はーあ、仕方ないね。行こう」


「俺は行かなくてもいいか」


「総長がいなくても秒で終わらせるぜ。このエース様がな」


「はいはい、行くよ夏也」


「いっ″!?いでっ!」


蒼夜が俺の耳を引っ張り、外へと連れて行かれる。


……さ、行くか。
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