白い雪が降り積もるように


私は押し付けられた仕事を終え、掃除用具を屋敷内の倉庫に片付けていた。




すると、開けっ放しにしていた扉が急に閉まる。




挙げ句に鍵まで閉められた。




「な……っ!?」




ドアを叩くとあの大中小の下衆な笑い声がした。




「ぎゃはは、ざまぁねぇな!」




「新入りのクセに依良様の世話係なんて生意気なんだよー」




「暫くそこにいてね。さーて、急に世話係が仕事をボイコットしたら依良様はどうするかなー」




その言葉を最後に声が聞こえなくなった。




アイツら、どっかに行ったな……。




「あぁ、最悪だ……」




その場に項垂れると、ドアの構造を見た。




ドアは内側に開くタイプのもの。




倉庫だから窓はない。




ドアを壊すのが一番手っ取り早い脱出方法だ。




でも、弁償させられるのもやだなー。





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