ナンパボーイズ


そしてここは私と雪の秘密の場所。私たちはお昼休み、ほぼ毎日ここで会ってる。

それ以外の場所では、さっきのようにそっと視線をあわせるだけで会話はしない。

だから誰も私と『ナンパボーイズ』のひとり、北原雪人がこんなに親しいなんて知らない。

ふたりだけの秘密。

ふと、隣の雪が、ながい指を私に伸ばして私のツインテールの片方の束をつまんだ。

「ン!?……な、なに!?」

「なんか甘いにおいがする。お昼なに食べたの?」

雪が隣にいて、私の髪に触れている…………。ドキドキして血液が沸騰しそうなのに、その原因である雪はいたって冷静。

いつものぼーっとした瞳で、私の髪を引っぱって遊んでる。
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