ナンパボーイズ
「やめてよぉ」
照れて雪の指を手で制すと、その指に華奢な指をからめてくれた。
雪の親指に嵌められた、シルバーのリングがひんやり冷たくて心地いい。
雪はそのまま私の肩に頭をもたげてきた。
「(ひ…!)」
「雨弓ちゃん、オレ眠い。抱っこしてくんない?」
どきどきする私の耳元で、追いうちのような甘い声で囁やくから、ますます心臓は暴れだす。
こんな静かな空間にいたら、心音が雪に聴こえちゃうんじゃない!?
なんて不安が本気でよぎる。
「さ、さっき何聴いてたの?」
「ラッド。…聴く?」
「き……きき聴きたいっ!」
壊れそうなくらいの緊張を誤魔化すためにそう言うと、雪は片方のイヤフォンを私の左耳にはめてくれた。
そしてもうひとつを、ピアスだらけの自分の右耳にはめる。