「好きって言って。」

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午後の授業が終わり、悠斗と帰ろうとしたとき。


廊下に一人、待っていた人がいる。


美川さんだ。(名前ぐらいは覚えたよ)



うつらうつらと眠たそうにしている。


そして、僕の姿を見ると、駆け寄って「一輝君!」と笑顔で言ってくれた。


まぁ、嬉しいのだが・・・


「待っててくれたんですか?」


「そりゃ、そうでしょ?さぁ!帰るよ~?」


「はいはい・・・」


腕を引かれ、走らされる。

それから、美川さんの隣にはもう一人いて悠斗と話していた。


「やぁ、一年」


「こんにちわ、先輩」


「・・・・・・ねぇ、メアド、交換しよ。これから、世話になるし」


「そうですね、俺もおんなじこと考えてました」


そして、僕の知らない間で二人は連絡交換をしていた。

僕はまだ、美川さんとしていないのに・・・

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