ほしの、おうじさま
「で、クリーンスタッフさんが一括でそれを処理してくれて、そして次の日の朝、今度は早番の方が朝の清掃の際にここに立ち寄って乾いた布巾を取り込み、所定の場所に仕舞っておいてくれる、っていう流れなんです」

「だからお茶当番の仕事はここまでです」

「そうだったのですね」

台所仕事の中でも煩わしさ度が高いそれらの処理を、専門の方にお任せできるなんて何て楽チンなシステムなのだろうと感激しながら私はそう言葉を返した。

そんなこんなで任務を完了した私達はそのまま給湯室から廊下へと出て、一旦立ち止まる。

「今日は色々教えて下さいまして、ありがとうございました」

そのタイミングで私はお二人に向けて感謝の意を伝えた。

「いやいや、とんでもないです。こちらこそ」

「例のお話、聞いて下さってありがとう」

そう口にしつつ、福田さんと伊藤さんはちょっと照れくさそうな笑みを浮かべた。

「じゃ、今日の所はこの辺で」

しかしもうその話題を引っ張るつもりはないらしい。
伊藤さんはそう言うと、軽く頭を下げつつ言葉を続けた。

「お疲れ様でした。お先に失礼します」

「お疲れ様です。また明日」

「はい。お疲れ様でした」

福田さんもそれに倣ったので、私ももちろん会釈をしながら挨拶を返す。
そしてお二人と私はお互いに別々の方向に歩き出した。
言わずもがなでそれぞれ更衣室とマーケティング課へ向かう為である。
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