ほしの、おうじさま
その後マーケティング課へと帰り、面談スペースにて、一人ぼっちのランチを開始した。

正直あまり食欲はなかったけれど、朝の忙しい時間帯に調理に費やした労力と、貴重な食材達を無駄にするのは大いに抵抗があったのでどうにかこうにか詰め込んだ。

そうしてもやもやとした気持ちで昼休憩を過ごし、午後の業務になだれ込んだのだった。

「あれ…?」

いつもよりも果てしなく長く感じた就業時間がようやく終わりを迎え、身支度を整えて会社を後にし、最寄り駅のホームまでたどり着いた所でケータイチェックを始めた私はそのメールに気が付いた。

早番の日は更衣室で行っているけれど、遅番の日は、「それでなくてもいつもより遅い時間帯になってしまっているのだから、仕事が終わり次第速やかに会社を出るように」と言われているので駅に着いてからにしていた。

差出人は富樫さんで、同期の女性9人に一斉送信されているようだ。
研修中にケータイ番号とメアドを交換しあったので、彼女が私のそれを把握している事自体は別に不思議ではないのだけれど、一体何の用だろうと首を傾げつつメールを開く。

『皆さんお疲れ様!入社して半月過ぎたけど、仕事の方はどうですか?』

『お疲れ様…』と心の中で返答しつつ文面を読み進める。

『私はてんやわんやしつつも何とかやってるよ。で、さっそく本題なんだけど、ゴールデンウィーク明けの最初の水曜日、つまりノー残デーの日に、もし良かったら女子会やりませんか?『一ヶ月無事に乗り切った記念』と、それぞれの近況報告会を兼ねて』
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