ほしの、おうじさま
☆☆☆☆☆☆
自分でも正体の分からない、モヤモヤしたものを抱えながら数日過ごしているうちに暦は5月に突入していた。
そして明日からはゴールデンウィーク。
土日との連係がうまいこといって5連休となるので、この機会にレジャーを楽しむ方が多いらしく、社内の人々は皆何となく浮き足立っていた。
しかし私は何の予定も入れていない。
入社して一月後なんて、最も心身共にグッタリしている時だろうと予想し、ただひたすらぐうたら過ごすつもりでいたのだ。
結果的にその判断は大正解だった。
こんな精神状態じゃ、何をしても楽しめそうにないし…。
「連休が明けたらいよいよ星さんも一人立ちだね」
自分の世界に入り込んでいた私はそう声をかけられ、ハッと我に返った。
と同時に自分が置かれている状況を思い出す。
会社に出勤し端末を立ち上げ、朝のミーティングに参加していたのだけど、いつの間にやらそれは終わっていたらしい。
課長のお話を上の空で聞いてしまい、内心『まずい…』と冷や汗をかく。
「は、はい。そうなのですよね」
せめてこの後はきちんとしておこうと、私はお話を振って下さった渡辺さんに視線を合わせ、返答した。
「何だか心細いです」
「星さんなら大丈夫だよ。この一ヶ月の間、色んな事をスイスイ吸収して行ってたもん」
渡辺さんは笑顔で続けた。
そして明日からはゴールデンウィーク。
土日との連係がうまいこといって5連休となるので、この機会にレジャーを楽しむ方が多いらしく、社内の人々は皆何となく浮き足立っていた。
しかし私は何の予定も入れていない。
入社して一月後なんて、最も心身共にグッタリしている時だろうと予想し、ただひたすらぐうたら過ごすつもりでいたのだ。
結果的にその判断は大正解だった。
こんな精神状態じゃ、何をしても楽しめそうにないし…。
「連休が明けたらいよいよ星さんも一人立ちだね」
自分の世界に入り込んでいた私はそう声をかけられ、ハッと我に返った。
と同時に自分が置かれている状況を思い出す。
会社に出勤し端末を立ち上げ、朝のミーティングに参加していたのだけど、いつの間にやらそれは終わっていたらしい。
課長のお話を上の空で聞いてしまい、内心『まずい…』と冷や汗をかく。
「は、はい。そうなのですよね」
せめてこの後はきちんとしておこうと、私はお話を振って下さった渡辺さんに視線を合わせ、返答した。
「何だか心細いです」
「星さんなら大丈夫だよ。この一ヶ月の間、色んな事をスイスイ吸収して行ってたもん」
渡辺さんは笑顔で続けた。