ほしの、おうじさま
何て考えている間に7階に到達したので箱を降り、数歩進んだ所で、ちょうど脳内に浮かんでいた人物…星野君とバッタリ出くわした。
おそらく会議室の方から歩いて来たのだろう。
「もしかして、鍵を取りに行ってくれた?」
「う、うん」
……そう。
企画開発部からは、星野君が会場準備係として選出されたのだ。
「じゃあ一緒に戻ろうか。あ。さっき会議室前で阿久津君に会って、彼には掃除道具を取りに行ってもらってるから」
「そうなんだ…」
そして宣伝部からはもう一人、同じく新人である阿久津君がメンバー入りを果たした、と。
同期で気心が知れている(と上司は判断している)し、そんなに大人数で動き回っても非効率的なので、今回はこの3人だけを指名したようだ。
この話を聞いた時は『お邪魔虫はいるけど星野君と同じ室内で作業ができる!』とウキウキしたものだけれど、今は純粋に喜ぶ事ができない。
イマイチ心が弾まない。
私は一体どうしてしまったのだろう?
そんな事を思いつつ、すでに歩き出していた星野君の後を追いかけようとした私だったけれど。
ジリジリジリジリッ。
突然辺りに響き渡ったベルの音に、ビクッとしながら立ち止まる。
「え!?な、なに??」
『ただいま、8階給湯室より火災が発生いたしました』
すると間髪入れず、今度は館内放送が。
『ビル内にいる皆様、速やかに避難を開始して下さい』
おそらく会議室の方から歩いて来たのだろう。
「もしかして、鍵を取りに行ってくれた?」
「う、うん」
……そう。
企画開発部からは、星野君が会場準備係として選出されたのだ。
「じゃあ一緒に戻ろうか。あ。さっき会議室前で阿久津君に会って、彼には掃除道具を取りに行ってもらってるから」
「そうなんだ…」
そして宣伝部からはもう一人、同じく新人である阿久津君がメンバー入りを果たした、と。
同期で気心が知れている(と上司は判断している)し、そんなに大人数で動き回っても非効率的なので、今回はこの3人だけを指名したようだ。
この話を聞いた時は『お邪魔虫はいるけど星野君と同じ室内で作業ができる!』とウキウキしたものだけれど、今は純粋に喜ぶ事ができない。
イマイチ心が弾まない。
私は一体どうしてしまったのだろう?
そんな事を思いつつ、すでに歩き出していた星野君の後を追いかけようとした私だったけれど。
ジリジリジリジリッ。
突然辺りに響き渡ったベルの音に、ビクッとしながら立ち止まる。
「え!?な、なに??」
『ただいま、8階給湯室より火災が発生いたしました』
すると間髪入れず、今度は館内放送が。
『ビル内にいる皆様、速やかに避難を開始して下さい』