ほしの、おうじさま
「って事は、私は17番だから…。お、あったあった」


そう呟きつつ、野崎さんはその数メートル先に設置してあるロッカーの前に立った。

二人をその場に残し、私達は更に奥へと進んで行く。


「あ、見つけた。なんか、虫食い状態というか、ポツポツと空きがあるのね」

「ホント。新人は新人同士で固められてる訳じゃないんだ」


自分のロッカーを発見した人達が荷物を詰めながらそう声を発する。


「多分、ざっくりと部署ごとに並べられてて、異動とか退職した人の代わりに新しく来た人が使うようになってるんじゃないかな?だから飛び飛びなのよ」

「なるほどね」


そんなやりとりを聞きながら歩を進めていた私も、無事、割り当てられているロッカー前にたどり着いた。

急いで扉を開け、荷物を中に詰める。

なぜならロッカーを探しあてたのは私が一番最後、つまり部屋の奥の方まで来てしまっていたからだ。

鍵をかけ、足早に室内を移動し廊下へと出ると、案の定ほとんどの人が戻って来ていた。


「全員揃いましたね。それでは、今度は食堂まで移動したいと思います。皆さん、社員証はきちんと首にかけていますか?」

「はい」


課長の問いかけに皆でそう返答した。


「勤怠記録、つまりタイムカードの打刻はもちろんのこと、社食の支払いもできるようになっています。具体的にどう使用するか、今からレクチャーしてみせますね」
< 48 / 241 >

この作品をシェア

pagetop