ほしの、おうじさま
てっきり彼女は明るくて陽気で如才なくて、自分と同じようなキラキラリア充男子が好みなのかと思いきや、ああいった、一癖ある感じの人がタイプだったのかと、とても意外に思ったのだ。

「少年マンガで例えるならば、星野君が主人公のヒーローで、阿久津君はそれに敵対している組織の、クールでニヒルで陰のある若き首領って役処かな」

「ああー、確かに」

「言いたいことすごくよく分かるわー」

引き続き繰り出された野崎さんの主張に関しては、私も他の人と同じように妙に納得してしまった。
仰る通り、星野君は完璧で完全なる主人公タイプだし、対する阿久津君は、そこはかとなく禍々しいダークなオーラが漂う、悪の親玉役が良く似合う。
そして密かに『そこにヒーローの相手役であるヒロインとして潜り込めれば幸せなんだけどな…』などと図々しく思ってしまったけれど、残念ながら私はそういったキャラではない。
せいぜい敵の戦闘機や怪獣や手下達が現れて破壊活動を始めた際、悲鳴をあげながら逃げ惑うエキストラの一人、といった所か。
いやもちろん、そういった方々だって必要不可欠で重要な役処ではあるんだけど。
とにかく私は到底、スポットライト当たりまくりの、レギュラーの主要人物サイドにはなれそうにない。
小さい時からその他大勢、脇役人生街道をひたすらに突き進んでいるから。
< 65 / 241 >

この作品をシェア

pagetop