ほしの、おうじさま
そんなこんなで社食の要冷蔵の商品は元々人気が高い上に、そういった大幅な値下げサービスがある事からほぼ毎日完売できているらしい。

むしろ日によっては早々に売り切れてしまうこともあったりするらしいので、自分の好きな商品を値下げ価格で手に入れられるかどうかは運にかかっている。

そんな話を皆興味津々で聞いていたのだけれど、特に野崎さんと富樫さんの食い付きが良く、「絶対にいつか利用する!」と宣言していた。

そして今日、思いがけず、30分以上もの休憩時間が与えられる事になった。

つまりデザートを買いに行った後にそれを食す時間も充分にあるという訳だ。

なんというタイムリーさだろう。


「この先こんな機会に恵まれることなんてなかなかないだろうし、ぜひとも活かさないと!」

「そうだよねー。あ、ちなみに買った後はどうする?社食で食べて来る?それとも持ち帰る?」

「いやいや、さすがにあの場に居座る勇気はないわー」


富樫さんの問い掛けに野崎さんは右手をブンブンと振りつつ答えた。


「私達が研修中の新入社員っていうのは一目瞭然じゃん?いくら長めの休憩を与えられたからといって、社食で優雅にお茶してる場面なんか先輩社員達に目撃されたら何を言われることか。デザートを買いに行く行為自体が何気にハードル高いんだから、それ以上目立つ行動はしない方が良いよ」
< 73 / 241 >

この作品をシェア

pagetop