鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!




『わっ…』


そのまま反動で立ち上がると、手を掴んだまま歩き出した葵に慌ててついていく。




『葵、どこ回るの?』



『え…考えてなかったな。
風花はどこか回りたいところある?』




……この際、いつまで手を繋いでるかなんて気にしないで!


斎藤君のことは忘れて、楽しもう。



『クレープの店とか、たこ焼きのお店とか‼︎』


『全部食いもんだな』


『食い意地張ってすいませんねっ』





からかうような葵の言葉にムキになって言い返すと、葵が声を上げて笑った。



『何笑ってるの?』



『いや…っ別に?』



『まだ笑止まってないよ⁉︎』



説得力なさ過ぎじゃんそれ!



『クレープから行く? たこ焼きから行く?』



……今絶対話そらしたよね、葵。


まぁ、いいけどね?
クレープとたこ焼きいけるなら!


昨日から目付けてた所だし‼︎




『んー…葵が決めて⁇』


『じゃあ、近いしクレープから行くか』


『了解です!』




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