鈍感ちゃん(君)を攻略せよ!
『お前、帰らねえの?』
私の眼の前で立ち止まり、不思議そうにそう言った斎藤君をみる。
……帰らねえの? って言われてもね⁇
帰りたいけど、同じ方向じゃ一緒に帰ってるって勘違いされるかもしれないでしょ?
学校の…特に、斎藤君ファンの女の子達に見られたらなんて考えたら…怖すぎてそんなことはできませんよ。
『送るって言っただろ』
『でも…その、ね⁇』
送ると言って聞かない斎藤君に、どうにかして断ろうと頭を回転させる。
あー…こうなるなら、湊さんに頼んどけばよかったかな?
私の馬鹿野郎‼︎
『…たく』
そう呟いて、乱暴に頭をかいた斎藤君が、私の腕を掴んで引き寄せる。
『素直に送られてろ、チビ』
至近距離にあった斎藤君の顔に一瞬固まりながらも、それと同時に放たれたセリフに頬が引きつる。
『私はチビじゃないっ‼︎』
『そうかよ。
なら、素直に聞いとけ』
『そのぐらい出来ますから!』
……ん?
私…今、サラッと衝撃発言しなかった?
言った後に嫌な予感が頭をよぎり、慌てて斎藤君との言い合いをリピートさせる。
__『私はチビじゃないっ‼︎』
__『そうかよ。
なら、素直に聞いとけ』
__『そのぐらい出来ますから!』